このブログを検索
ピックアップ(6)
- 聖なる犯罪者('19) 暴力と暴力の狭間に挿入された似非・司祭の「物語」
- 「失敗のリピーター」を止められない日本軍の度し難き生態
- ナチュラルウーマン('17) 今は見えなくても雪の下には花がある
- 彼女が選んだ安楽死~たった独りで生きた誇りとともに~('25) 完璧な準備をしてきたことの自律的な行為の凄さ
- ツォツィ('05) 少しずつ変容する心の旅の物語
- 国宝('25) 悪魔と取引した男の最高到達点
- 南アフリカで起こったこと、その〈現在性〉
- ワン・バトル・アフター・アナザー('25) 「究極の救出劇」という御伽話を捨てた傑作
- 山の郵便配達('99) 「美しきもの」と「善きもの」の紐帯のうちに包摂されていく
- 94歳のゲイ('23) それ以外にない〈性〉を生きていく
- 爆弾 ('25) 自己基準で社会を動かす男
- ルノワール('25) 只者ではない観察者
ピックアップ(5)
- フォーン・ブース('02) 匿名性社会、その闇のテロリズム
- TV特例 敵を知らず己を知らず ―― 精神主義という名の、学ぶことを忘れた日本軍の救い難き欠陥
- ハンセン病差別の底知れぬ地獄
- 658km、陽子の旅('22) 掬い取られた命の、それ以外にない滾り
- あの娘は知らない('22) 小さくも、欠くべからざる旅
- 沖縄狂想曲('23) 「沖縄」とは何か
- 敵('25) 自ら在るべき〈死〉を呼び込み、春を待望する男
- ぼくのお日さま('24) 代替不可能な「自己効力感」を手に入れた少年の物語
- 地の群れ('70) 差別という、重くて深いラインの炸裂
- マリウポリの20日間('23) 善人は善行を尽くし、悪人は悪行に手を染める
- 「抵抗の象徴」・マリウポリの〈現在性〉
- 天国の日々('84) 約束された悲劇の哀しい物語の収斂点
- ハーヴェイ・ミルク('84) 防壁を穿ち、銃弾に斃れた男の魂の斗い
- 冬の旅('85) 「絶対の自由」へ侵入する覚悟
- ふつうの子ども('25) そこだけは逃げてはならない負のスポットで言葉を絞り出す
- カティンの森('07) 乾いた森の虐殺のリアリズム
- フロントライン('25) 未知なる敵と戦う者たちの、人道という名の静かな正義
- ぼくが生きてる、ふたつの世界('24) 青春の余韻が騒いでいる
- 81/2(‘63) 「人生は祭りだ。共に生きよう」
- 熊は、いない(‘22) サイドブレーキを引く映画作家の心意気
- 秘密の森の、その向こう(‘21) 「異床同夢」の時間を漂流する
- 正体(‘24) 二つの英雄譚が溶融し、昇華された映画の面白さ
- 友だちのうちはどこ? (‘87) そこだけは曲げられない少年の正義
- コード・アンノウン(‘00) 人間が分かり合うことの難しさ
- 九十歳。何がめでたい('24) 「世の中に反応すること自体が生きる力」
- 私が棄てた女('69) 社会の底層で必死にもがいて生きる
- ガザという地獄
- ドラマ特例 八月の声を運ぶ男 語り継ぐことの大切さ
- オッペンハイマー('23) 「我々は破壊した」
- ピアニスト('01) 「強いられて、仮構された〈生〉と〈性〉」への苛烈極まる破壊力
- CURE('97) 最強の伝道師
- 愛を乞うひと('98) 虐待サバイバーからの生還者
- ミッシング('24) 困難な状況を乗り越えていく「保護因子」の大きさ
- シビル・ウォー アメリカ最後の日('24) アメリカ分断社会の末路
- 青幻記 遠い日の母は美しく('73) その旅 ―― グリーフワークの帰着点
- 最後の乗客('23) 〈生〉と〈死〉の際どい淵に立たされ、魂が虚空に彷徨う
- 月('23) 武装可能なゾーンを広げ、虚実の境界を破壊していく
- 侍タイムスリッパー('24) 「今という時代」に適応し、精一杯生きていく
- PERFECT DAYS('23) 「全力で築き上げる平凡さ」
- 反撥(‘64) 「約束された狂気」のルーツに潜む性的虐待という破壊力
- 袋小路('66) 「ふんわりとした日常」の、あまりに脆い裸形の相貌性
- あんのこと('24) 絶対孤独という地獄の淵で
- スケアクロウ('73) 物語のリアリズムの、一本の重くて苛烈なライン
- 西瓜を盗んだだけで首を吊るされた黒人たちの闘いの歴史
- 水の中のナイフ('62) 虚栄の心理学
- 226('89) 狂い、馬鹿になり、奔騰せんとす
- 台風クラブ('85) 「閉鎖系の空間」を「解放系の空間」に変容せしめた「思春期爆発」の決定力
- ゴジラ-1.0('23) 「戦争を終わらせる」という決意と覚悟
- 関心領域('23) 無関心という悪
- トキワ荘の青春 時流に媚びない男の漫画道
- かくしごと('24) それでも止められない疑似家族という脆さ
- トニー滝谷('04) 初めて愛を知り、その愛を失うことの怖さ
- 碁盤斬り('24) 絶対正義を埋めゆく男の旅路
- 世界は今、より難しい方向に、途轍もない速度で変動している
- 東京兄妹('95) 小さな街の小さな物語の大きな決断
- 大谷翔平 ―― そのパイオニア魂に限りなし
- 東京夜曲('97) 大人の恋の複雑な心理の綾を精緻に描いた秀作
ピックアップ(4)
- フルメタル・ジャケット('87) 「戦争における『人殺し』の心理学」についての映像的検証
- 夜明けのすべて('24) 夜明け前の暗さを乗り越えていく
- 母という名の女('17) 欲望の稜線を広げた成り行きの果て
- この森で、天使はバスを降りた('96) 究極なる「特別な出来事」が完遂する
- 或る終焉('15) 常世の闇の世界に掠われて
- メタモルフォーゼの縁側('22) 「完璧な一日」へのはじめの一歩
- 市子('23) 「手に負えない何者か」と化していく
- ほかげ('23) 戦争後遺症という疲労破壊が押し寄せてくる
- 家の鍵('04) 涕泣と受容、その時間の旅の重さ
- コット、はじまりの夏('22) 勇を鼓して駆け走る少女
- ナポリの隣人('17) 「擬似家族」という幻想の行方
- ひろしま('53) 怒りを力に変え、その惨状を描き切った唯一無二の幻の名画【本稿は、原爆の熱線などによる凄惨な被爆画像を加えて再投稿しました】(2024年8月6日)
- ウェンディ&ルーシー('08) 小さな町の、小さな旅の、小さな罪の、大きな別れ
- 人はどのように男になり、女になっていくのか
- the son/息子('23) 無知と恥は痛みを引き起こす
- だれのものでもないチェレ('76) 母の迎えを待つナラティブが壊れゆく
- 怪物('23) 抑圧と飛翔 是枝裕和
- Winny('22) 出る杭は打たれる文化の脆さ
- コンパートメントNo.6('21) 出会いはいつも唐突にやってくる
- キャロル・オブ・ザ・ベル 家族の絆を奏でる詩('21) 誰にも奪えない少女のイノセンス
- 君は行く先を知らない('21) 悲痛な叫びが夜の闇を切り裂いた
- 希望のかなた('17) 並外れて優しき者たちの利他的行為の結束力
- 縞模様のパジャマの少年('08) 友情を繋ぐ冒険の危うい行方
- 波紋('23) 狂わなければ〈生〉を繋げない女の突破力
- 福田村事件('23) 則るべき道理が壊れゆく
- 僕たちは希望という名の列車に乗った('18) 自ら考え、行動し、飛翔する若者たち
- ソフト/クワイエット('22) レッドラインを越えていく女たち
- ニトラム/NITRAM('21) 「自分が何者であるのか」という問いを立てる力
- ゲット・アウト('17) 社会派スリラーの傑作
- 戦場のメリークリスマス('07) 「神秘的で聖なる何ものか」に平伏す男の脆さ
- キサラギ('07) エンタメ純度満点の密室劇
- もし私が死ななければならないのなら あなたは生きなければならない ガザの詩人が遺した命の歌
- にごりえ('53) 女に我慢を強いる貧困のリアリズム
- 樋口一葉の世界 ―― 赤貧地獄の只中を駆け走った「奇跡の14ヶ月」
- ドラマ特例 ながらえば('85) 不器用なる〈心の旅〉が開かれていく
- ウクライナ 2024
- せかいのおきく('23) 投げ入れる女と受け止める男
- ドラマ特例 今朝の秋('87) 善意の集合がラインを成した物語の、迸る情緒の束
- 夜明けまでバス停で('22) 「道徳的正しさ」で闘った女の一気の変容
- she said/シー・セッド その名を暴け('22) 使命感という闘いの心理学
- 評議('06) 人が人を裁くことの重さ
- LOVE LIFE('22) 幻想崩壊から踏み出す一歩
- エゴイスト('23) そこだけは輝きを放つ〈愛〉のある風景
- アマンダと僕('18) それでも、人間は動く
- ロストケア('23) トラウマを克服する歪んだ航跡
- 銀河鉄道の父('23) 魂の呻きを捩じ伏せて、なお捩じ伏せて、這い出して、熱量を噴き上げていく
ピックアップ(3)
- 橋のない川 第二部('70) 闘い切った映画作家の本領の眩さ
- 橋のない川('69) 沸点に達した少年が状況を支配し、新たな情景を拓いていく
- 「全世界に同情されながら滅亡するよりも、全世界を敵に回して戦ってでも生き残る」 ―― 「イスラエル」とは何か
- ケイコ 目を澄ませて('22) 魂を込めたボクシング人生を再駆動していく
- オフサイド・ガールズ('06) 「都会の女たち」の熱気は、地方から出て来た兵士の男を圧倒する
- 生きる('52) 黒澤ヒューマニズムの真骨頂
- わが青春に悔いなし('46) 顧みて悔いのない生活
- ラーゲリより愛を込めて('22) 「堂々たる凡人」 ―― その生きざま
- どん底('57) 黒澤リアリズムの到達点
- 「戦うのは自分たちの土地を守るためです。敵への攻撃が目的になってはいけません。それが人の命に対する責任です」
- PLAN 75 ('22) 復元し、明日に向かって西陽を遠望する
- 蜘蛛巣城('57) 完璧な俳優陣による完璧な構成と完璧な構築力
- 生きものの記録('55) 「神武景気」の只中で堂々と世に放たれたエンタメ排除の反核映画
- 八月の狂詩曲('91) 「戦時の悲劇」と「牧歌的な平和」が架橋する
- 土喰らう十二ヵ月('22) 「今日」という一日を丁寧に生きていく
- ひろしま('53) 怒りを力に変え、その惨状を描き切った唯一無二の幻の名画
- ある男('22) 束の間の至福を経て昇天する男が物語を揺動させていく
- ルーム('15) 「途轍もない特異性」が抱え込む破壊力が溶けていく
- 千夜、一夜('22) 強靭なナラティブを繋ぎ、今日という一日を生きていく
- 驚異的な想像力を駆使し切った女性作家の変えようがない生きざま ―― その名はエミリー・ブロンテ
- あのこと('21) 欲望の代償の重さ
- ムーンライト('16) 男らしさという絶対信仰が溶かされていく
- 暗殺・リトビネンコ事件('07) 「銃弾で死ぬか、毒殺されるか」という悍ましい負の連鎖
- セッション('14) 光芒一閃する青春の炸裂
- MINAMATA-ミナマタ-('20) 異国の地で、呼び覚まされた写真家の本能が炸裂する
- 戦争と女の顔('19) 「戦争が延長された『戦後』」を描き切った映像の破壊力
- トップガン マーヴェリック('22) 「全員生還」という思いが雪の渓谷を切り裂いていく
- 杉原千畝 スギハラチウネ('15) 迫りくる非常時の渦中で覚悟を括り、「命のビザ」を繋いでいく
- TITANE/チタン('21) ジェンダーの矮小性をも超える異体が産まれゆく
- いつか読書する日('05) たった一度の本気の恋を成就させる思いの強さ
- さがす('22) 生まれ変わった父を信じる力が、少女の底力の推進力と化していく
- コーダ あいのうた('21) 「青春の光と影」 ―― 身を削る思いで束ねた時間の向こうに結実していく
- チョコレート・ドーナツ('12) 魂を打ち抜く反差別映画
- ドライブ・マイ・カー('21) 切り裂かれた「分別の罠」が雪原に溶かされ、噴き上げていく
- ノマドランド('21) 最後の“さよなら”がない〈生き方〉を選択していく
- ハケンアニメ!('22) 「義務自己」「理想自己」を粉砕する原点回帰への時間の旅
- 夕凪の街 桜の国(’07) 被曝で壊された〈生〉なるものを拾い集め、鮮度を得て繋いでいく
- 大河への道 ('22) 「奇跡の旅」を受け継ぐ名もなき者たちの物語
- 岬の兄妹('18) 炸裂する、障害者という「弱さ」の中の「強さ」
- 愛がなんだ('18) 後引き仕草が負の記号になってしまう女子の、終わりが見えない純愛譚
- 歓待('10) 群を抜く、「決め台詞」と叫喚シーンを捨て去った映像 ―― その鉈の切れ味
- 流浪の月('22) 小さくも、誰よりも清しい愛が生まれゆく
- 燃ゆる女の肖像('19) 窮屈な〈生〉を払拭し、湧き出る感情を一気に解き放っていく
- 硫黄島からの手紙('06) 「自決の思想」を否定する男の、途切れることのない闘争心がフル稼働する
- 英雄の証明('21) 人間の脆弱性を細密に描いた映画の切れ味
- 親愛なる同志たちへ('20) 他言無用の「赤い闇」が今、暴かれていく
- 醉いどれ天使('48) 時代遅れのヤクザに対峙し、町医者の憤怒が炸裂する
ピックアップ(2)
- 「泣く子はいねぇが」('20) 佐藤快磨 破綻から再生までの途方もない旅路
- ブータン 山の教室('19) パオ・チョニン・ドルジ 村民への優しい眼差しをリザーブした青年教師の精神浄化の物語
- 虐殺の大地を走り抜き、鮮烈な時間を拓いていく 映画「ルワンダの涙」('05)の壮絶さ
- 「その日」限定の時間を大切に生きる純愛譚の威力 映画「静かな雨」('19)
- 後追い死に最近接する青春を掬い切った燃える赤 映画「走れ、絶望に追いつかれない速さで」('15)
- 蒼然たる暮色に閉ざされながらも、〈今〉を生きる母と子の物語 映画「梅切らぬバカ」('21)
- 最も苛酷な時代に真実の報道の姿勢を貫き、散っていった勇敢なジャーナリスト、その生きざま 映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」('19)
- 3人の男のボクシング人生の振れ具合を描き切った傑作 映画「BLUE/ブルー」('21)
- 海辺の一角で渾身の一撃を放つ男の、人生のやり直し 映画「アナザーラウンド」('20)
- 「連合赤軍事件」 ― その同志殺しの闇の深さ
- 尊厳死に向かって、「終活」という「生き方」を自己完結させていく 映画「しあわせな人生の選択」('15)
- 純愛の強靭さを決定づける抜きん出た強度 映画「少年の君」
- 出会うことがない階層社会で呼吸を繋ぐ女性たちの、そのリアルな様態を描く 映画「あのこは貴族」('21) ―― その訴求力の高さ
- 自立する少女の身体疾駆が弾けていく 映画「いとみち」('21) ―― 心に残るエンタメの秀作
- プーチンとは何者か
- 認知症の破壊力を描き切った大傑作 映画「ファーザー 」('20) ―― その卓出した構築力
- 残された機能を生かし、打って出た自立への旅 映画「37セカンズ」('19)の強さ
- エンタメ性を丸ごと捨てた、直球勝負の社会派の秀作 映画「17歳の瞳に映る世界」('20) ―― その精緻な構成力
- 「罪なき傍観者」を断罪し、復讐劇が自己完結する 映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」('20)の破壊力
- “憎しみに居場所なし” 異彩を放つ映画「ブラック・クランズマン」('18) ―― そのシャープな切れ味
- 全篇にわたって心理学の世界が広がっている 映画「空白」 ―― その半端なき映像強度
- 息を呑む圧巻の心理的リアリズム 映画「瞳の奥の秘密」の凄み
- 父と娘がタイアップし、破天荒な局面を突破する 映画「カメラを止めるな!」 ('17)
- 「第六感」=「ヒューリスティック」が極限状態をブレークスルーする 映画「ハドソン川の奇跡」('16)
- 依存症の地獄と、その再生を描き切った逸品 映画「凪待ち」の鋭利な切れ味 ('19)
- 「母」との短い共存の時間を偲び、想いを込めて世界で舞う「娘」 映画「ミッドナイトスワン」('20)
- 何ものにも代えがたい男の旅の収束点 映画「すばらしき世界」('20)の秀抜さ
- 「怒り」の閾値を超えていく少年の爆裂の行方 映画「怒り」の喚起力('16)
- パラスポーツが世界を変える
- 精神障害者の社会復帰への艱難な旅 映画「閉鎖病棟 -それぞれの朝-」('19)
- 瓦礫の山と化す地場で「家族写真」を撮り切った男の旅の重さ 映画「浅田家!」('20)
- 多様な関係性が思春期を育てる 映画「はちどり」('18) ―― その煌めく彩り
- 叫びを捨てた事件記者と、事件の加害性で懊悩する仕立て職人が交叉し、化学反応を起こす 映画「罪の声」('20)
- 最悪の事態に対してアップデートできない我が国の脆さ 映画「Fukushima 50」 ('20) が突きつけたもの
ピックアップ(1)
- 体育会系の懐深くに飛び込み、仇を討つ、醇乎たる男の物語 映画「宮本から君へ」('19)の峻烈さ
- 状況に馴致することによってしか呼吸を繋げなかった女の悲哀 映画「愚行録」('17) ―― その異形の情景
- 恐怖のスポットでグリーフワークが完結する 映画「蜜蜂と遠雷」('19) ―― その眩い煌めき
- 毒気なき「絶対反戦」のメッセージを異化する映画「小さいおうち」('14) ―― その異様に放つ「切なさ」>
- 「コスモポリタン」を無化した女の情愛が、地の果てまで追い駆けていく 映画「スパイの妻」('20)の表現力の凄み
- 「自分自身を信じる力」が強い男の強烈なメッセージが、風景を変えていく 映画「ノクターナル・アニマルズ」の凄み('16)
- 形容し難いほどのラストシーンの遣る瀬なさが、観る者の中枢を射抜く ―― 映画「帰れない二人」('18)
- 危機意識の共有を崩す若手官僚の正義の脆さ 映画「新聞記者」('19)
- 「別離のトラウマ」の破壊力 映画「寝ても覚めても」('18) ―― その「適応・防衛戦略」の脆弱性
- 「臭気」という、階層の絶対的境界の不文律 ―― 映画「パラサイト 半地下の家族」('19)の風景の歪み
- 捩れ切った関係交叉の齟齬が生む「もどかしさ」 ―― 映画「よこがお」('19)の訴求力の高さ
- 断片でなければ、現実は理解できない ―― 「71フラグメンツ」・映画の構造を提示する、ハネケ映像の圧倒的な凄み
- 香港死す ―― 習近平政権の人権抑圧の悍ましさ
- イングマール・ベルイマン ―― その映像宇宙のいきり立つ表現者
- 「先入観」の心理学
- 北条民雄、東條耿一、そして川端康成 ―― 深海で交叉するそれぞれの〈生〉
- 「日本人の死生観」の底の浅さ ―― 映画「おくりびと」、その幻想の収束点
- 「感情」が人間を支配する
- 同性愛者は存在するだけの理由がある
- この国で、「野球」とは何だったのか ―― 「体育会系」から「知的体育会系」への風景の遷移
- 自尊感情の心理学
- 性犯罪は「魂の殺人」である
- インセスト ―― その底層に澱む自我の歪みの本質
- 三段跳びをやってのけた男 ―― 文化大革命という狂気を越えて
- 犯罪被害者のグリーフワーク ―― その茨の道の壮絶な風景
- 「思うようにならない人生の極みのさま」 ―― 人生の真実を描き切った成瀬映画の真骨頂
- 恐怖感が人間を守る
- 人はどのように男になり、女になっていくのか
- LGBTという、押し込められた負の記号を突き抜ける肯定的な自己表現
- PTSDの破壊力に圧し潰されつつ、人間の尊厳を死守せんと闘う伊藤詩織さん ―― その逃避拒絶の鼓動の高鳴り
- ハンセン病差別の暗くて深い闇 ―― その風景の途方もない凄惨さ
- ベトナム戦争とは何だったのか
- 「雪の二・二六」 ―― 青年将校・その闘争の心理学
- 「丸刈り」にされた女 ―― 尊厳を奪回する「覚悟の帰郷」
- 戦争における「人殺し」の心理学 ―― 「見える残酷」を如何に削り取っていくか
- 「アルビノ狩り」―― その言語を絶する凄惨さ
- それでも、グローバル化は止められない
- 障害者の「全人格的な生存権」と、「人間の尊厳」の完全破壊の悍ましさ
- 「状況が歴史を動かす」 ―― 「731部隊」とは何だったのか
- 「ウイグル絶望収容所」 ── 中国共産党・その罪の重さ
マイブログ リスト
-
-
-
-
大谷翔平 ―― そのパイオニア魂に限りなし - *史上初の「シーズン50本塁打、50盗塁以上」をマークした大谷は3度目のMVPを受賞した* *同上* *1 想像を絶するプレッシャーを撥ね除けたアスリート* 大谷翔平について書くにあたって、何にも増して驚かされる事件がある。 複数の経歴について疑問を投げかけられている現在、日...1 年前
-
映画史に残したい「名画」あれこれ 外国映画編(その5) - *ゴッドファーザー*(フランシス・フォード・コッポラ) 瀕死の重傷から生還した一人の男がいる。 影響力の相対的低下という、自らが置かれた厳しい状況がそうさせたのか、或いは、それ までの自分の生き方を、「愚か者」という風に相対化できるほどの年輪がそうさせたのか、それ以外に流れようがない生き方でイタリア系...13 年前
人生論的映画評論・続 映画リスト(5)
- 台北暮色('17) 非日常を紡ぎ出した関係の到達点 ホァン・シー
- 道化師の夜(‘53) 自尊心の崩壊と、掻きむしられる屈辱感の行方 イングマール・ベルイマン
- シリアの花嫁('04) <「境界突破」の果敢な「進軍」 ―― 「少しの希望」を象徴するもの> エラン・リクリス
- フルメタル・ジャケット('87) 「戦争における『人殺し』の心理学」についての映像的検証 スタンリー・キューブリック
- ツユクサ('22) それぞれの〈生〉があり、それぞれの自己運動が広がっている 平山秀幸
- ニューオーダー('20) 猟奇的好奇心の卑俗性を削ぎ落とす物語 ミシェル・フランコ
- EO イーオー('22) ヒトと動物の宿命の隔たりの大きさ イエジー・スコリモフスキ
- 君は行く先を知らない('21) 悲痛な叫びが夜の闇を切り裂いた パナー・パナヒ
- 福田村事件('23) 則るべき道理が壊れゆく 森達也
- 僕たちは希望という名の列車に乗った('18) 自ら考え、行動し、飛翔する若者たち ラース・クラウメ
- ソフト/クワイエット('22) レッドラインを越えていく女たち ベス・デ・アラウージョ
- ニトラム/NITRAM('21) 「自分が何者であるのか」という問いを立てる力 ジャスティン・カーゼル
- ゲット・アウト('17) 社会派スリラーの傑作 ジョーダン・ピール
- 戦場のメリークリスマス('07) 「神秘的で聖なる何ものか」に平伏す男の脆さ 大島渚
- キサラギ('07) エンタメ純度満点の密室劇 佐藤祐市
- 悲しみのミルク('08) 凄惨なる「地獄の記憶」を引き剥がし、進軍する クラウディア・リョサ
- にごりえ('53) 女に我慢を強いる貧困のリアリズム 今井正
- 神様のくれた赤ん坊('79) 二つの旅が溶融し、二人の旅が完結する 前田陽一
- ドラマ特例 ながらえば('85) 不器用なる〈心の旅〉が開かれていく 作・山田太一
- 夜明けまでバス停で('22) 「道徳的正しさ」で闘った女の一気の変容 高橋伴明
- せかいのおきく('23) 投げ入れる女と受け止める男 阪本順治
- she said/シー・セッド その名を暴け('22) 使命感という闘いの心理学 マリア・シュラーダー
- LOVE LIFE('22) 幻想崩壊から踏み出す一歩 深田晃司
- 評議('06) 人が人を裁くことの重さ 伊藤寿浩
- エゴイスト('23) そこだけは輝きを放つ〈愛〉のある風景 松永大司
- 帰らざる日々('78) 〈あの夏〉が蘇り、不透明な自己の〈現在性〉を穿ち、鮮度を加えて立ち上げていく 藤田敏八
- アマンダと僕('18) それでも、人間は動く ミカエル・アース
- ロストケア('23) トラウマを克服する歪んだ航跡 前田哲
- 小林多喜二('74) 闇があるから光がある 今井正
- 銀河鉄道の父('23) 魂の呻きを捩じ伏せて、なお捩じ伏せて、這い出して、熱量を噴き上げていく 成島出
人生論的映画評論・続 映画リスト(4)
- 橋のない川 第二部('70) 闘い切った映画作家の本領の眩さ 今井正
- ザ・ホエール('22) 時間の傷を溶かす距離の重さ ダーレン・アロノフスキー
- 橋のない川('69) 沸点に達した少年が状況を支配し、新たな情景を拓いていく 今井正
- ケイコ 目を澄ませて('22) 魂を込めたボクシング人生を再駆動していく 三宅唱
- レディ・バード('17) それでも私は東に跳んでいく グレタ・ガーウィグ
- オフサイド・ガールズ('06) 「都会の女たち」の熱気は、地方から出て来た兵士の男を圧倒する ジャファール・パナヒ
- 生きる('52) 黒澤ヒューマニズムの真骨頂 黒澤明
- わが青春に悔いなし('46) 顧みて悔いのない生活 黒澤明
- 潜水服は蝶の夢を見る('07) 「想像力」と「記憶」を駆使し、窮屈な“潜水服”の状態から抜け出ていく ジュリアン・シュナーベル
- ラーゲリより愛を込めて('22) 「堂々たる凡人」 ―― その生きざま 瀬々敬久
- どん底('57) 黒澤リアリズムの到達点 黒澤明
- PLAN 75 ('22) 復元し、明日に向かって西陽を遠望する 早川千絵
- 蜘蛛巣城('57) 完璧な俳優陣による完璧な構成と完璧な構築力 黒澤明
- 生きものの記録('55) 「神武景気」の只中で堂々と世に放たれたエンタメ排除の反核映画 黒澤明
- 天城越え('83) 「無常と祈り」の映像風景が揺蕩っている 三村晴彦
- 用心棒('61) 純度100%のエンタメ時代劇の決定版 黒澤明
- MINAMATA-ミナマタ-('20) 異国の地で、呼び覚まされた写真家の本能が炸裂する アンドリュー・レヴィタス
- 1987、ある戦いの真実('17) 公安⇔反体制的学生・市民という激発的衝突の向こうに チャン・ジュナン
- 醉いどれ天使('48) 時代遅れのヤクザに対峙し、町医者の憤怒が炸裂する 黒澤明
- 親愛なる同志たちへ('20) 他言無用の「赤い闇」が今、暴かれていく アンドレイ・コンチャロフスキー
- 英雄の証明('21) 人間の脆弱性を細密に描いた映画の切れ味 アスガー・ファルハディ
- 線は、僕を描く('22) 二つの青春 ―― その浄化の旅 小泉徳宏
- 硫黄島からの手紙('06) 「自決の思想」を否定する男の、途切れることのない闘争心がフル稼働する クリント・イーストウッド
- 百花('22) 複層的に覆う負の記憶が解けていく 川村元気
- 燃ゆる女の肖像('19) 窮屈な〈生〉を払拭し、湧き出る感情を一気に解き放っていく セリーヌ・シアマ
- 流浪の月('22) 小さくも、誰よりも清しい愛が生まれゆく 李相日
- 死刑にいたる病 ('22) 叫びを捨てた怪物が放つ、人たらしの手品に呑み込まれ、同化していく 白石和彌
- 歓待('10) 群を抜く、「決め台詞」と叫喚シーンを捨て去った映像 ―― その鉈の切れ味 深田晃司
- 杉原千畝 スギハラチウネ('15) 迫りくる非常時の渦中で覚悟を括り、「命のビザ」を繋いでいく チェリン・グラック
- 暗殺・リトビネンコ事件('07) 「銃弾で死ぬか、毒殺されるか」という悍ましい負の連鎖 アンドレイ・ネクラーソフ
- 戦争と女の顔('19) 「戦争が延長された『戦後』」を描き切った映像の破壊力 カンテミール・バラーゴフ
- 愛がなんだ('18) 後引き仕草が負の記号になってしまう女子の、終わりが見えない純愛譚 今泉力哉
- 嵐が丘('92) 憎悪の感情の束が打ち抜かれゆく ピーター・コズミンスキー
- 峠 最後のサムライ('19) 己が〈生〉を、余すところなく生き切った男の物語 小泉堯史
- 岬の兄妹('18) 炸裂する、障害者という「弱さ」の中の「強さ」 片山慎三
- 大河への道 ('22) 「奇跡の旅」を受け継ぐ名もなき者たちの物語 中西健二
- 夕凪の街 桜の国(’07) 被曝で壊された〈生〉なるものを拾い集め、鮮度を得て繋いでいく 佐々部清
- 土喰らう十二ヵ月('22) 「今日」という一日を丁寧に生きていく 中江裕司
- 千夜、一夜('22) 強靭なナラティブを繋ぎ、今日という一日を生きていく 久保田直
- 前科者('21) 自己救済への長くて重い内的時間の旅 岸善幸
- 八月の狂詩曲('91) 「戦時の悲劇」と「牧歌的な平和」が架橋する 黒澤明
- 僕が跳びはねる理由('21) 自分たちのリズムを壊すことなく、成長を望む思いを共有していく ジェリー・ロスウェル
- ルーム('15) 「途轍もない特異性」が抱え込む破壊力が溶けていく レニー・エイブラハムソン
- ヤクザと家族 The Family ('21) 求めても、求めても得られない「家族」という幻想 藤井道人
- ムーンライト('16) 男らしさという絶対信仰が溶かされていく バリー・ジェンキンス
- ベルファスト('21) 有明の月を目指す家族の障壁突破の物語 ケネス・ブラナー
- ベイビー・ブローカー('22) 「生まれてくれて、ありがとう」 ―― この生育を守り抜いていく 是枝裕和
- ハケンアニメ!('22) 「義務自己」「理想自己」を粉砕する原点回帰への時間の旅 吉野耕平
- ノマドランド('21) 最後の“さよなら”がない〈生き方〉を選択していく クロエ・ジャオ
- ドライブ・マイ・カー('21) 切り裂かれた「分別の罠」が雪原に溶かされ、噴き上げていく 濱口竜介
- トップガン マーヴェリック('22) 「全員生還」という思いが雪の渓谷を切り裂いていく ジョセフ・コシンスキー
- チョコレート・ドーナツ('12) 魂を打ち抜く反差別映画 トラヴィス・ファイン
- セッション('14) 光芒一閃する青春の炸裂 デイミアン・チャゼル
- ジョジョ・ラビット('19) 生き抜く強さの連鎖が、刷り込まれた「英雄物語」を解体していく タイカ・ワイティティ
- コーダ あいのうた('21) 「青春の光と影」 ―― 身を削る思いで束ねた時間の向こうに結実していく シアン・ヘダー
- アルプススタンドのはしの方('20) 迸る熱中に溶融する「しょうがない」の心理学 城定秀夫
- わたしは最悪。('21) 終わりが見えない「自分探し」の旅に終止符が打たれいく ヨアキム・トリアー
- ひろしま('53) 怒りを力に変え、その惨状を描き切った唯一無二の幻の名画 関川秀雄
- はじまりのみち('13) 旅に出た若者が「基地」に帰還し、新たな旅に打って出る 原恵一
- さがす('22) 生まれ変わった父を信じる力が、少女の底力の推進力と化していく 片山慎三
- こちらあみ子('22) 小さなスポットに置き去りにされた感情を共有できな無力感 森井勇佑
- いつか読書する日('05) たった一度の本気の恋を成就させる思いの強さ 緒方明
- ある男('22) 束の間の至福を経て昇天する男が物語を揺動させていく 石川慶
- あのこと('21) 欲望の代償の重さ オードレイ・ディヴァン
- TITANE/チタン('21) ジェンダーの矮小性をも超える異体が産まれゆく ジュリア・デュクルノー
人生論的映画評論・続 映画リスト(3)
- 「泣く子はいねぇが」('20) 佐藤快磨 破綻から再生までの途方もない旅路
- ブータン 山の教室('19) パオ・チョニン・ドルジ 村民への優しい眼差しをリザーブした青年教師の精神浄化の物語
- ウインド・リバー('17) テイラー・シェリダン
- ダラス・バイヤーズクラブ('13) ジャン=マルク・ヴァレ
- 虐殺の大地を走り抜き、鮮烈な時間を拓いていく 映画「ルワンダの涙」('05)の壮絶さ マイケル・ケイトン=ジョーンズ
- 名もなき歌('19) メリーナ・レオン
- 米騒動とは何だったのか 映画「大コメ騒動」('21)に寄せて 本木克英
- 「その日」限定の時間を大切に生きる純愛譚の威力 映画「静かな雨」('19) 中川龍太郎
- 後追い死に最近接する青春を掬い切った燃える赤 映画「走れ、絶望に追いつかれない速さで」('15) 中川龍太郎
- 蒼然たる暮色に閉ざされながらも、〈今〉を生きる母と子の物語 映画「梅切らぬバカ」('21) 和島香太郎
- アイヒマンの後継者 ミルグラム博士の恐るべき告発(‘15) ハンネス・ホルム
- 最も苛酷な時代に真実の報道の姿勢を貫き、散っていった勇敢なジャーナリスト、その生きざま 映画「赤い闇 スターリンの冷たい大地で」('19) アグニェシュカ・ホランド
- 3人の男のボクシング人生の振れ具合を描き切った傑作 映画「BLUE/ブルー」('21) 𠮷田恵輔
- 護られなかった者たちへ('20) 瀬々敬久
- 海辺の一角で渾身の一撃を放つ男の、人生のやり直し 映画「アナザーラウンド」('20) トマス・ヴィンターベア
- 海街diary (‘15) 是枝裕和
- 尊厳死に向かって、「終活」という「生き方」を自己完結させていく 映画「しあわせな人生の選択」('15) セスク・ゲイ
- 望み('20) 堤幸彦
- ナチュラルウーマン('17) セバスティアン・レリオ
- 純愛の強靭さを決定づける抜きん出た強度 映画「少年の君」 デレク・ツァン
- 出会うことがない階層社会で呼吸を繋ぐ女性たちの、そのリアルな様態を描く 映画「あのこは貴族」('21) ―― その訴求力の高さ 岨手由貴子
- 自立する少女の身体疾駆が弾けていく 映画「いとみち」('21) ―― 心に残るエンタメの秀作 横浜聡子
- 認知症の破壊力を描き切った大傑作 映画「ファーザー 」('20) ―― その卓出した構築力 フローリアン・ゼレール
- 裸足の季節('15) デニズ・ガムゼ・エルギュヴェン
- 残された機能を生かし、打って出た自立への旅 映画「37セカンズ」('19)の強さ HIKARI
- エンタメ性を丸ごと捨てた、直球勝負の社会派の秀作 映画「17歳の瞳に映る世界」('20) ―― その精緻な構成力 エリザ・ヒットマン
- 「罪なき傍観者」を断罪し、復讐劇が自己完結する 映画「プロミシング・ヤング・ウーマン」('20)の破壊力 エメラルド・フェネル
- “憎しみに居場所なし” 異彩を放つ映画「ブラック・クランズマン」('18) ―― そのシャープな切れ味 スパイク・リー
- 茜色に焼かれる('21) 石井裕也
- 全篇にわたって心理学の世界が広がっている 映画「空白」 ―― その半端なき映像強度 𠮷田恵輔
- 街の上で('19) 今泉力哉
- パピチャ 未来へのランウェイ('19) ムニア・メドゥール
- 幸せなひとりぼっち(‘15) ハンネス・ホルム
- MOTHER マザー('20) 大森立嗣
- 息を呑む圧巻の心理的リアリズム 映画「瞳の奥の秘密」の凄み フアン・ホセ・カンパネラ
- 天外者('20) 田中光敏
- 父と娘がタイアップし、破天荒な局面を突破する 映画「カメラを止めるな!」 ('17) 上田慎一郎
- ペイン・アンド・グローリー('19) ペドロ・アルモドバル
- 「第六感」=「ヒューリスティック」が極限状態をブレークスルーする 映画「ハドソン川の奇跡」('16) クリント・イーストウッド
- 依存症の地獄と、その再生を描き切った逸品 映画「凪待ち」の鋭利な切れ味 ('19) 白石和彌
- 「母」との短い共存の時間を偲び、想いを込めて世界で舞う「娘」 映画「ミッドナイトスワン」('20) 内田英治
- ミナリ('20) リー・アイザック・チョン
- 何ものにも代えがたい男の旅の収束点 映画「すばらしき世界」('20)の秀抜さ 西川美和
- ジョーカー('19) トッド・フィリップス
- 「怒り」の閾値を超えていく少年の爆裂の行方 映画「怒り」の喚起力('16) 李相日
- 孤狼の血('18) 白石和彌
- アンダードッグ('20) 武正晴
- 長いお別れ('19) 中野量太
- 精神障害者の社会復帰への艱難な旅 映画「閉鎖病棟 -それぞれの朝-」('19) 平山秀幸
- 瓦礫の山と化す地場で「家族写真」を撮り切った男の旅の重さ 映画「浅田家!」('20) 中野量太
- 多様な関係性が思春期を育てる 映画「はちどり」('18) ―― その煌めく彩り キム・ボラ
- 叫びを捨てた事件記者と、事件の加害性で懊悩する仕立て職人が交叉し、化学反応を起こす 映画「罪の声」('20) 土井裕泰
- 最悪の事態に対してアップデートできない我が国の脆さ 映画「Fukushima 50」 ('20) が突きつけたもの 若松節朗
- 体育会系の懐深くに飛び込み、爆裂する男の純愛譚 映画「宮本から君へ」('19)の苛烈さ 真利子哲也
人生論的映画評論・続 映画リスト(2)
- 母さんがどんなに僕を嫌いでも('18) 御法川修
- 状況に馴致することによってしか呼吸を繋げなかった女の悲哀 映画愚行録('17) ―― その異形の情景 石川慶
- 恐怖のスポットでグリーフワークが完結する 映画「蜜蜂と遠雷」('19) ―― その眩い煌めき 石川慶
- 晩年の2年間に爆裂する男の「激情的習得欲求」の軌跡 映画「永遠の門 ゴッホの見た未来」('18) ジュリアン・シュナーベル
- 午後8時の訪問者('16) ダルデンヌ兄弟
- 映画短評 幸福なラザロ('18) アリーチェ・ロルヴァケル
- 斬、('18) 塚本晋也
- 毒気なき「絶対反戦」のメッセージを異化する映画「小さいおうち」('14) ―― その異様に放つ「切なさ」 山田洋次
- 「愛」があって「性」がある関係にのめり込んでいった少女の「愛の風景」 映画「第三夫人と髪飾り」('18)が訴える、女性差別の裸形の情態 アッシュ・メイフェア
- 「それでも、日本人は『戦争』を選んだ」 ―― 映画「永遠の0」('13)という照準枠 山崎貴
- 愛する人('09) ロドリゴ・ガルシア
- わたしは光をにぎっている('19) 中川龍太郎
- その手に触れるまで('19) ダルデンヌ兄弟
- 「コスモポリタン」を無化した女の情愛が、地の果てまで追い駆けていく 映画「スパイの妻」('20)の表現力の凄み 黒沢清
- 自己運動の底部を崩さず、迷い、煩悶し、考え抜いて掴んでいく ―― 映画「星の子」('20)の秀逸さ 大森立嗣
- ある少年の告白('18) ジョエル・エドガートン
- 生きちゃった('20) 石井裕也
- 町田くんの世界('19) 石井裕也
- blank13('17) 齊藤工
- LION/ライオン 〜25年目のただいま〜('16) ガース・デイヴィス
- 勝手にふるえてろ('17) 大九明子
- ビューティフル・デイ('17) リン・ラムジー
- ドラマ特例篇 「この戦は、おのれ一人の戦だと思うている」 ―― 「『麒麟がくる』本能寺の変」・そのクオリティの高さ
- 東ベルリンから来た女(‘12)
- 心と体と('17) イルディコー・エニェディ
- 夜明けの祈り('16) アンヌ・フォンテーヌ
- 獣は月夜に夢を見る('14) ヨナス・アレクサンダー・アーンビー
- きっと、いい日が待っている('16) イェスパ・W・ネルスン
- シングルマン('09) トム・フォード
- 「自分自身を信じる力」が強い男の強烈なメッセージが、風景を変えていく 映画「ノクターナル・アニマルズ」の凄み('16) トム・フォード
- 神々と男たち(’10) グザヴィエ・ボーヴォワ
- ひつじ村の兄弟(‘15) グリームル・ハゥコーナルソン
- 形容し難いほどのラストシーンの遣る瀬なさが、観る者の中枢を射抜く ―― 映画「帰れない二人」('18) ジャ・ジャンクー
- 危機意識の共有を崩す若手官僚の正義の脆さ 映画「新聞記者」('19) 藤井道人
- 禁じられた歌声('14) アブデラマン・シサコ
- 自転車泥棒 ('48) ヴィットリオ・デ・シーカ
- ガーンジー島の読書会の秘密('18) マイク・ニューウェル
- 残像('16) アンジェイ・ワイダ
- 海を駆ける('18) 深田晃司
- DVの犯罪性を構造的に提示した映画「ジュリアン」 ―― その破壊力の凄惨さ グザヴィエ・ルグラン
- ロスト・イン・トランスレーション(’03) ソフィア・コッポラ
- 「別離のトラウマ」の破壊力 映画「寝ても覚めても」('18) ―― その「適応・防衛戦略」の脆弱性 濱口竜介
- 「バカンス」を軟着させた青春の息づかい ―― 映画「ほとりの朔子」(’13)の素晴らしさ 深田晃司
- SOMEWHERE ('10) ソフィア・コッポラ
- オーバー・フェンス('16) 山下敦弘
- The Beguiled/ビガイルド 欲望のめざめ('17) ソフィア・ コッポラ
- 武装解除できない青春の壊れやすさ 映画「きみの鳥はうたえる」('18) ―― その「予定不調和」の秀逸な収斂点 三宅唱
- 「俗悪なリアリズム」という、イラン映画の絶対的禁忌 ―― 映画「人生タクシー」の根源的問題提起 ジャファル・パナヒ
- ひとよ('19) 白石和彌
- 「臭気」という、階層の絶対的境界の不文律 ―― 映画「パラサイト 半地下の家族」('19)の風景の歪み ポン・ジュノ
- ペンタゴン・ペーパーズ/最高機密文書('17) スティーヴン・スピルバーグ
- 捩れ切った関係交叉の齟齬が生む「もどかしさ」 ―― 映画「よこがお」('19)の訴求力の高さ 深田晃司
- たかが世界の終わり('16) グザヴィエ・ドラン
- ゼイン ―― その魂の叫び 映画「存在のない子供たち」('18)が訴えた「児童婚」・「児童売買」の陰惨な風景 ナディーン・ラバキー
- 断片でなければ、現実は理解できない ―― 「71フラグメンツ」・映画の構造を提示する、ハネケ映像の圧倒的な凄み
- グリーンブック('18) ピーター・ファレリー
- シン・ゴジラ('16) 庵野秀明
- かくも長き不在('61) アンリ・コルピ
- ワイルドライフ('18)
- パターソン('16) ジム・ジャームッシュ
- 半世界('19) 阪本順治
- COLD WAR あの歌、2つの心('18) パヴェウ・パヴリコフスキ
- エリザのために('16) クリスティアン・ムンジウ
- 日日是好日('18) 大森立嗣
- 映画 夜空はいつでも最高密度の青色だ('17) 石井裕也
- イングマール・ベルイマン ―― その映像宇宙のいきり立つ表現者
- わらの犬('71) サム・ペキンパー
- 万引き家族('18) 是枝裕和
- 女は二度決断する('17) ファティ・アキン
- 三度目の殺人 ('17) 是枝裕和
- 判決、ふたつの希望('17) ジアド・ドゥエイリ
- ラブレス('17) アンドレイ・ズビャギンツェフ
- バスキアのすべて('10) タムラ・デイヴィス
- エレナの惑い('11) アンドレイ・ズビャギンツェフ
- スポットライト 世紀のスクープ('15) トム・マッカーシー
- 裁かれるは善人のみ('14) アンドレイ・ズビャンギンツェフ
- 永い言い訳('16) 西川美和
- 湯を沸かすほどの熱い愛('16) 中野量太
- 山河ノスタルジア('15) ジャ・ジャンクー
- 幼子われらに生まれ('17) 三島有紀子
- スリー・ビルボード('17) マーティン・マクドナー
- わたしは、ダニエル・ブレイク ('16) ケン・ローチ
- ヒトラーの忘れもの('15) マーチン・サントフリート
- ティエリー・トグルドーの憂鬱('15) ステファヌ・ブリゼ
- セールスマン(’16) アスガー・ファルハディ
- ハッピーエンド(’17) ミヒャエル・ハネケ
- あの夏、いちばん静かな海。('91) 北野武
- 夜と霧('55) アラン・レネ
- ライフ・イズ・ビューティフル('98)
- ノーカントリー
- ヒッチコック(‘12)
- チェンジリング
- トゥルーマン・ショー
- フライト
- 紙の月
- アデルの恋の物語
- 愛を読むひと
- 秋のソナタ
- 羊たちの沈黙
- 靖国 YASUKUNI
- しゃべれども しゃべれども
- カポーティ
- かもめ食堂
- 赤い殺意
- クレイマー、クレイマー
- 時計じかけのオレンジ
- ミリオンダラー・ベイビー
- ピアノ・レッスン
- パピヨン
- 二十日鼠と人間
- 戦場のピアニスト
- 東京物語
- マルホランド・ドライブ
- JUNO/ジュノ
- フルメタル・ジャケット
- ピアニスト
- 白いリボン
- 隠された記憶
- ファニーゲーム
- 人は皆、自分自身をどこまで把握して生きているのか ―― 映画「嘆きの天使」の「予約された酷薄さ」
- 葛城事件(’16)
- 淵に立つ
- 映画「ブラス!」に見る怨嗟と甘えの構造
- キャロル(’15)
- あん(’15)
- さざなみ(’15)
- サウルの息子(’15)
- ディーパンの闘い(’15)
- ぼくらの家路(’13)
- 草原の実験(’14)
- マルタのことづけ(‘13)
- 失われた週末(’45)
- 冬冬の夏休み(’84)
- 悪魔のいけにえ(’74)
- 珈琲時光(’03)
- イロイロ ぬくもりの記憶 (’13)
- デリカテッセン(’91)
- スモーク(’95)
- サン★ロレンツォの夜(’82)
- アリスのままで(’14)
- 山椒大夫(’54)
- エデンより彼方に(’02)
- 祇園囃子(’53)
- サイの季節(’12)
- 未来を生きる君たちへ(’10)
- 真夜中のゆりかご(‘14)
- エル・スール(’82)
- 野火(’14)
- 名もなき塀の中の王(’13)
- 岸辺の旅(’15)
- さよなら渓谷(’13)
- 夏をゆく人々(‘14)
- ショート・ターム(’13)
- 父 パードレ・パドローネ(‘77)
- 楢山節考(‘83)
- リアリティのダンス(‘13)
- その男、凶暴につき(‘89)
- サイダーハウス・ルール(’99)
- トレーニングデイ(‘01)
- サンドラの週末(‘14)
- きみはいい子(‘14)
- 海にかかる霧(‘14)
- 大統領の執事の涙(‘13)
- フォックスキャッチャー(‘14)
- おみおくりの作法(’13)
- 黒衣の刺客(‘15)
- 私の、息子(‘13)
- 初恋のきた道(‘99)
- 自由が丘で(‘14)
- 仮面ペルソナ(‘66)
- 第七の封印(‘56)
- 利休にたずねよ(‘13)
- コーヒーをめぐる冒険(‘12)
- こわれゆく女(‘74)
- ガタカ(‘97)
- ローマ環状線、めぐりゆく人生たち(‘13)
- 狩人の夜(‘55)
- 遠い空の向こうに(‘99)
- マレーナ(‘00)
- 声をかくす人(‘11)
- バンクーバーの朝日(‘14)
- ラリーフリント(’96)
- 悪童日記(’13)
- エレニの帰郷(’08)
- 父の秘密(‘12)
- 少女は自転車にのって(‘12)
- 柘榴坂の仇討(‘14)
- 光にふれる(‘14)
- 百円の恋(‘14)
- 鴛鴦歌合戦(‘39)
- ネブラスカ ふたつの心をつなぐ旅(‘13)
- 真珠の耳飾りの少女(‘03)
- 蜩ノ記(‘13)
- 眺めのいい部屋(‘86)
- 転々(‘07)
- 鉄くず拾いの物語(‘13)
- 薄氷の殺人(‘14)
- 蝉しぐれ(‘05)
- 蠢動 -しゅんどう-(‘13)
- バートン・フィンク(‘91)
- フルートベール駅で(‘13)
- 罪の手ざわり(‘13)
- ある過去の行方(‘13)
- 武士の献立(‘13)
- 武士の家計簿('10)
- インサイド・ルーウィン・デイヴィス 名もなき男の歌(‘13)
- トゥヤーの結婚(‘06)
- さよなら、アドルフ(‘12)
- 酒井家のしあわせ(‘06)
- その夜の侍(‘12)
- 私の男(‘13)
- オカンの嫁入り(‘10)
- それでも夜は明ける(‘13)
- 少年は残酷な弓を射る(‘11)
- ぼくたちの家族(‘13)
- そこのみにて光輝く(‘13)
- ブルージャスミン(‘13)
- 東京公園(‘11)
- ハンナ・アーレント(‘12)
- ツレがうつになりまして(‘11)
- ポセイドン・アドベンチャー(‘72)
- うなぎ(‘97)
- そして父になる(‘13)
- ペコロスの母に会いに行く(‘13)
- 迷子の警察音楽隊(‘07)
- 黄昏(‘81)
- マグノリアの花たち(‘89)
- 奇人たちの晩餐会(‘98)
- 共喰い(‘13)
- 嘆きのピエタ(‘12)
- もう一人の息子(‘12)
- ブロークン・フラワーズ(‘05)
- そして、私たちは愛に帰る(‘07)
- 復讐するは我にあり(‘79)
- プライドと偏見(‘05)
- ふがいない僕は空を見た(‘12)
- マイライフ・アズ・ア・ドッグ(‘85)
- 北北西に進路を取れ(‘59)
- 知りすぎていた男(‘56)
- 真実の行方(‘96)
- 百万円と苦虫女(‘08)
- めまい(‘58)
- 亀も空を飛ぶ(‘04)
- コンプライアンス 服従の心理(‘12)
- もらとりあむタマ子(‘13)
- 思秋期(‘10)
- ミザリー(‘90)
- 光のほうへ(‘10)
- 偽りなき者(‘12)
- 終着駅 トルストイ最後の旅(‘09)
- 汚れなき悪戯(‘55)
- 聯合艦隊司令長官 山本五十六-太平洋戦争70年目の真実- (‘11)
- ゼア・ウィル・ビー・ブラッド(‘07)
- 仁義なき戦い(‘73)
- トト・ザ・ヒーロー(‘91)
- JAWS/ジョーズ(‘75)
- コード・アンノウン(‘00)
- 明日の記憶(‘05)
- ザ・マスター(‘12)
- 塀の中のジュリアスシーザー(‘12)
- バベットの晩餐会(‘87)
- 南極料理人(‘09)
- 舟を編む(‘13)
- パーマネント野ばら(‘10)
- キツツキと雨(‘11)
- 蒲田行進曲(‘82)
- プラトーン(‘86)
- シャイン(‘95)
- カサブランカ(‘42)
- 鍵泥棒のメソッド(‘12)
- ローマの休日(‘53)
- 青の炎(‘03)
- 夢売るふたり(‘12)
- 大いなる西部(‘58)
- 阿修羅のごとく(‘03)
- 女相続人(‘49)
- リービング・ラスベガス(‘95)
- ジャッカルの日(‘73)
- U・ボート(‘81)
- 東京オリンピック(‘65)
- 細雪(‘83)
- 体育会系の懐深くに飛び込み、仇を討つ、醇乎たる男の物語 映画「宮本から君へ」('19)の峻烈さ 真利子哲也
人生論的映画評論・続 映画リスト
- 愛、アムール(‘12)
- ビルマの竪琴(‘56)
- 17歳のカルテ(‘99)
- 月世界旅行(‘02)
- 世界最古の洞窟壁画 3D 忘れられた夢の記憶(‘10)
- ベニーズ・ビデオ(‘92)
- 櫻の園(‘90)
- アギーレ/神の怒り(‘72)
- 魚影の群れ(‘83)
- わが心のボルチモア(‘90)
- 籠の中の乙女(‘09)
- 陸軍(‘44)
- セブンス・コンチネント(‘89)
- 田舎司祭の日記(‘50)
- 生きるべきか死ぬべきか(‘42)
- 小間使の日記(‘63)
- 空中庭園(‘05)
- ピクニックatハンギング・ロック(‘75)
- タイム・オブ・ザ・ウルフ(‘03)
- 西部戦線異状なし(‘30)
- 蛇イチゴ(‘03)
- 必死剣 鳥刺し(‘10)
- 忘れられた人々(‘50)
- メランコリア(‘11)
- ル・アーヴルの靴みがき(‘11)
- かぞくのくに(‘11)
- 終の信託(‘12)
- 桐島、部活やめるってよ(‘12)
- 暗殺の森(‘70)
- リアリズムの宿(‘03)
- 腑抜けども、悲しみの愛を見せろ(‘07)
- おとなのけんか(‘11)
- 愛の嵐(‘73)
- アーティスト(‘11)
- 灼熱の魂(‘10)
- ヒューゴの不思議な発明(‘11)
- マーガレット・サッチャー 鉄の女の涙(‘11)
- ミッドナイト・イン・パリ(‘11)
- ニーチェの馬(‘11)
- 八月の鯨(‘87)
- 隠し剣 鬼の爪(‘04)
- アメリカン・ヒストリーX(‘98)
- わが母の記(‘11)
- 反撥(‘64)
- カイロの紫のバラ(‘85)
- 大鹿村騒動記(‘11)
- あ、春(‘98)
- 刑事ジョン・ブック 目撃者(‘85)
- たそがれ清兵衛(‘02)
- 無言歌(‘10)
- 気狂いピエロ(‘65)
- 少年と自転車(‘11)
- グッドフェローズ(‘90)
- 別離(‘11)
- ロルナの祈り(‘08)
- アンチクライスト(‘09)
- 一枚のハガキ(‘10)
- トラフィック(‘00)
- マネーボール(‘11)
- 2001年宇宙の旅(‘68)
- ゴーストライター('10)
- ツリー・オブ・ライフ('11)
- クィーン(‘06)
- 家族の庭(‘10)
- セブン(‘95)
- 息もできない(‘08)
- レインマン(’88)
- ブラック・スワン('10)
- 冒険者たち(’67)
- 空気人形('09)
- マンデラの名もなき看守('07)
- 激突('71)
- ミツバチのささやき('73)
- ラストキング・オブ・スコットランド('06)
- カティンの森('07)
- クラッシュ ('04)
- 蜂蜜('10)
- ヤコブへの手紙('09)
- 彼女が消えた浜辺('09)
- バビロンの陽光('10)
- 街の灯('31)
- 英国王のスピーチ('10
- サラエボの花('06)
- ゴッドファーザー('72)
- ニキータ('90)
- シコふんじゃった。('91)
- キャタピラー('10)
- 家族ゲーム('83)
- ソナチネ('93)
- 冬の小鳥('09)
2008年12月14日日曜日
名画短感⑤ プレイス・イン・ザ・ハート('84)
ロバート・ベントン監督
観る者の感動を狙っただけの映画が氾濫する情緒過多なる時代のとば口に、かくも堅実で良質なヒューマンドラマがあったことを確認させられる一篇。
主演を演じたサリー・フィールドと、ジョン・マルコヴィッチの冴えた演技が映像的感性を濃密にしていて、最後まで感傷に流されない秀作に仕立て上げた。
―― 物語を簡単に追っていこう。
時は、1930年代半ば。
大恐慌の影響を残すテキサスで平和に暮らす保安官一家に、突然の不幸が襲う。
当の保安官が酒に酔った黒人青年に誤殺され、呆然とする妻と二人の子供。
全てを切り盛りしていた夫を失った妻に残されたのは、膨大な負債のみ。
家事だけに専念していた妻には身の不遇を託(かこ)っている時間がない。
仕事探しに訪れた黒人との出会いから、慣れない綿花栽培を始めた妻は、激務の日々の中で、労働者と母の二役を熟(こな)ていく。
いつしか、彼女は保安官であった夫の役割、即ち、学校でタバコを吸った息子を折檻する仕事からも逃げられなくなっていた。母性と父性の厳しい兼務を象徴する印象的なシーンがある。
「こういうとき、お父さんだったらどうしたの?」
息子を折檻する際に、どのように尻を棒叩きし、何回叩いたらいいのかについて、当の息子に尋ねる母がそこにいる。
母はこのとき、何とか努めて自分の人格のうちに、一人の父親を作り出したのである。
負債を抱える銀行の担当者から、頑迷で盲目の甥の下宿を押し付けられ、やがて彼も新しい家族の一員となっていく。
黒人が連れて来た季節労働者による、厳しく辛い綿花栽培を主業とする生活の風景が淡々と展開される中に、痛ましいエピソードが挿入され、映像に無理のない重量感を与えていく。
テキサスを襲う竜巻によって地下壕に避難する家族は助かるが、その凄まじい被害に悲鳴を上げる町の人々。
KKK団に襲われる黒人の描写は南部映画の定番だが、その黒人を偏見に充ちた集団から守った、一人の盲人の行動が印象的だった。
盲人は庭伝いに張られた安全歩行用のロープを伝わり歩いて、黒人を激しく打擲(ちょうちゃく)するKKK団に対峙するや、護身用拳銃を試射して見せたのだ。
たじろぐ白装束の相手に本気の形相で迫る盲人が、そこにいた。
保安官殺しの黒人を平気で吊るすKKK団の者達も、一人一人は組織がなければ動けない町の住人たちに過ぎない。
黒人を人間として扱えない狭量の価値観に縋る者たちが、盲人の気迫に圧倒されて引き上げていく構図は、彼らの過剰な暴力が、単なるストレス解消の捌け口として、日常的に不可欠な何かになっていることを露呈するものだ。
しかしこの過剰な暴力によって、綿花栽培を指導してきた黒人は一家を去り、とうとう町を後にすることになった。
印象的なラストシーンは、多くの人が集っての聖餐式。
聖餐を受ける家族の面々、白装束を脱いだ男たち、そして最後に、死んだはずの保安官と犯人の黒人青年の姿が並んで映し出され、「均しく聖餐を受ける者たち」の括りによって映像は完結する。
このシーンに、ロバート・ベントン監督の基本メッセージが込められているのは間違いない。
差別する者も、差別される者も、同じ南部の人間ではないか。
キリスト教の精神に拠って立つことで、この不条理で理不尽な現実を克服できないのか。
南部の広大な土地を自ら耕し、栽培する勤労精神を体現するこの家族の不屈さこそ見習うべきである。
そこにこそ、我々祖先の開拓者精神が息づいていることを忘れるな。
厳しくも淡々と展開された映像を括るメッセージは、そんな文脈に集約されるだろう。
これは、最も大切な人を奪われた一人の女性が、その大切な人の魂を自らの人生に復元させ、成長していく軌跡を記録した、心地良いほどに、真摯な態度によって向き合った一篇であった。
(2007年4月)
登録:
コメントの投稿 (Atom)
映画リスト(2)
映画リスト
- 市民ケーン('41)
- マイ・バック・ページ('11)
- 破戒('62)
- Shall we ダンス?('96)
- es [エス]('01)
- インド行きの船('47)
- 恋する惑星('94)
- ロード・トゥ・パーディション('02)
- マンハッタン('79)
- 秋刀魚の味('62)
- 深夜の告白('44)
- やわらかい手('07)
- お引越し('93)
- 隠された記憶('05)
- 日本暗殺秘録('69)
- 泥の河('81)
- ダンサー・イン・ザ・ダーク('00)
- 飢餓海峡('65)
- ファニーゲーム('97)
- ピアニスト('01)
- イヴの総て('50)
- 白いリボン('09)
- サンセット大通り('50)
- ほえる犬は噛まない('00)
- ビヨンド・サイレンス('96)
- マルホランド・ドライブ('01)
- 川の底からこんにちは('09)
- エグザイル/絆('06)
- サン・ジャックへの道('05)
- イースタン・プロミス('07)
- 夜と霧 ('55)
- アンナと過ごした4日間('08)
- 誰がため('08)
- フライド・グリーン・トマト('91)
- 息子の部屋('01)
- フルメタル・ジャケット('87)
- あの夏、いちばん静かな海。('91)
- 名もなく貧しく美しく('61)
- JUNO/ジュノ('07)
- グロリア('80)
- 山の郵便配達('99)
- 愛を読むひと('08)
- アデルの恋の物語('75)
- 欲望のあいまいな対象('77)
- 旅の重さ('72)
- オール・アバウト・マイ・マザー('98)
- 天然コケッコー('07)
- アフガン零年('03)
- 過去のない男('02)
- サード('78)
- 台風クラブ('85)
- イン・ザ・ベッドルーム('01)
- 津軽じょんがら節('73)
- カッコーの巣の上で('75)
- 運動靴と赤い金魚('97)
- カミュなんて知らない('05)
- 昼顔('67)
- さらば愛しき大地('82)
- 東京物語('53)
- イブラヒムおじさんとコーランの花たち('03)
- 十九歳の地図('79)
- 青春の殺人者('76)
- 黄色い大地('84)
- 鳥('63)
- 落ちた偶像('48)
- 裏窓('54)
- 邪魔者は殺せ('47)
- 黒水仙('47)
- 第三の男('49)
- キューポラのある街('62)
- トゥルーマン・ショー('98)
- 暴力脱獄('67)
- 愛と追憶の日々('83)
- 髪結いの亭主 ('90)
- ゆれる('06)
- 花様年華('00)
- ウィスキー('04)
- レスラー('08)
- セントラル・ステーション('98)
- つぐない('07)
- この道は母へとつづく('05)
- ギルバート・グレイプ('93)
- ヴィヨンの妻 ~桜桃とタンポポ~('09)
- 母なる証明('09)
- ディア・ドクター('09)
- 劒岳 点の記('09)
- 名画短感⑭ 裁きは終わりぬ('50)
- 野菊の如き君なりき('55)
- ガンジー('82)
- 忍ぶ川('72)
- 戦場のピアニスト('02)
- バウンティフルへの旅('85)
- ドレッサー('83)
- アメリカン・ビューティー('99)
- 雨あがる('99)
- ノーマンズ・ランド('01)
- バベル('06)
- ショートカッツ('93)
- トリコロール 青の愛('93)
- 勝手にしやがれ('59)
- 奇跡('54)
- ジンジャーとフレッド('85)
- 少年時代('90)
- 戦場にかける橋('57)
- 太陽の少年('94)
- サイコ('60)
- 大誘拐('91)
- 父の祈りを('94)
- ドクトル・ジバゴ('65)
- アラビアのロレンス・完全版('88)
- スウィート ヒアアフター('97)
- マイ・レフトフット('89)
- マッチ工場の少女('90)
- シリアの花嫁('04)
- 秘密と嘘('96)
- チャドルと生きる('00)
- 雲が出るまで('04)
- ペパーミント・キャンディー('99)
- キッズ・リターン('96)
- 二十日鼠と人間('92)
- パパってなに?('97)
- ただいま('99)
- 仕立て屋の恋('89)
- パピヨン('73)
- ブルー・ベルベット('86)
- 冬の光('62)
- 僕の村は戦場だった('62)
- ハワーズ・エンド('92)
- ソルジャー・ブルー('70)
- ライアンの娘('70)
- 生きてゐる小平次 怪異談('82)
- 名画短感⑬ 獅子座('59)
- 理由なき反抗('55)
- 炎上('58)
- いつか晴れた日に('95)
- ベティ・ブルー 愛と激情の日々('83)
- ウェディング・バンケット('93)
- 恋人たちの食卓('94)
- イヴォンヌの香り('94)
- 危険な年('82)
- 名画短感⑫ 終着駅('53)
- ワンダフルライフ('99)
- エデンの東('54)
- 黒いオルフェ('59)
- 大いなる幻影('37)
- 竹山ひとり旅('77)
- ピアノ・レッスン('93)
- タクシーブルース('90)
- 源氏物語('51)
- 舞踏会の手帖('37)
- 夜の河('56)
- 名画短感⑪ 望郷('37)
- 偽れる盛装('51)
- フランス軍中尉の女('81)
- 隣の女('81)
- コックと泥棒、その妻と愛人('89)
- 旅情('55)
- エレニの旅('04)
- カメレオンマン('84)
- シテール島への船出('83)
- 散り行く花('19)
- 地下室のメロディー('63)
- 巴里の女性('23)
- リラの門('57)
- レニングラード・カウボーイズ・ゴー・アメリカ('89)
- ぼくの伯父さんの休暇('52)
- ぼくの伯父さん('58)
- ラヴィ・ド・ボエーム('92)
- 長い散歩('06)
- ザ・中学教師('92)
- パサジェルカ('63)
- 尼僧ヨアンナ('61)
- Love Letter(‘95)
- 地下水道('56)
- 男と女('66)
- 灰とダイヤモンド('58)
- ウルガ('91)
- ナチュラル・ボーン・キラーズ('94)
- 大通りの店('65)
- 太陽に灼かれて('94)
- (ハル)('96)
- ザ・コミットメンツ('91)
- ハリーとトント('74)
- 秋のソナタ('78)
- 奇跡の人('62)
- フィールド・オブ・ドリームス('89)
- サラバンド('03)
- 愛と喝采の日々('77)
- 放浪記('62)
- 伊豆の踊子('74)
- エイリアン 1('79)
- レオン 完全版('94)
- グレート・ブルー 国際版('88)
- 終電車('80)
- 博士の異常な愛情('63)
- ミリオンダラー・ベイビー('04)
- 時計じかけのオレンジ('71)
- 突然炎のごとく('62)
- 大人は判ってくれない('59)
- 間違えられた男('56)
- 野性の少年('69)
- 不良少女モニカ('53)
- 夏の夜は三たび微笑む('55)
- 女はそれを待っている('58)
- 嘆きのテレーズ('52)
- ルイス・ブニュエルの黄金時代('30)
- 小島の春('40)
- ドイツ零年('48)
- ワン・フルムーン('92)
- 無防備都市('45)
- 太陽がいっぱい('60)
- アンダルシアの犬('29)
- 欲望('66)
- 太陽はひとりぼっち('62)
- 俺たちに明日はない('67)
- ブレードランナー('82)
- 羊たちの沈黙('91)
- 告発の行方('88)
- クルーシブル('96)
- あにいもうと('53)
- めし('51)
- さらば、わが愛 覇王別姫('93)
- 81/2(‘63)
- 道('54)
- ニュー・シネマ・パラダイス(「劇場公開版」、「完全オリジナル版」)('89)
- 麦秋('51)
- ノスタルジア('83)
- あの子を探して('99)
- 病院で死ぬということ('93)
- 母べえ('07)
- 桜桃の味('97)
- 殯の森('07)
- 叫びとささやき('72)
- わが命つきるとも('66)
- 処女の泉('60)
- フル・モンティ('97)
- ラスト・ショー('71)
- クレイマー、クレイマー('79)
- HANA-BI('98)
- 4分間のピアニスト('06)
- フェリーニのアマルコルド('74)
- 炎のランナー('81)
- カンバセーション 盗聴('73)
- ブロードウェイと銃弾('94)
- 達磨はなぜ東へ行ったのか('89)
- ハンナとその姉妹('86)
- レイジングブル('80)
- 十二人の怒れる男('57)
- 名画短感⑩ モナリザ('86)
- タクシードライバー('76)
- 小早川家の秋('61)
- アニー・ホール('77)
- 浮草('59)
- レナードの朝('90)
- 銀座化粧('51)
- クイズ・ショウ('94)
- 歌行燈('43)
- サイドカーに犬('07)
- チェンジリング('08)
- サッド ヴァケイション('07)
- カポーティ('05)
- しゃべれども しゃべれども('07)
- その土曜日、7時58分('07)
- ぐるりのこと('08)
- JSA('00)
- おくりびと('08)
- かもめ食堂('05)
- 歩いても 歩いても('07)
- グエムル―漢江の怪物('06)
- 闇の子供たち('08)
- 実録・連合赤軍あさま山荘への道程(みち)('07)
- 靖国 YASUKUNI('07)
- 4ヶ月、3週と2日('07)
- ノーカントリー('07)
- 善き人のためのソナタ('06)
- 草の乱('04)
- 鶴八鶴次郎('38)
- 名画短感⑨ ヴェラ・ドレイク('04)
- 大阪物語('99)
- 海を飛ぶ夢('04)
- 名画短感⑧ 黄金狂時代('25)
- 名画短感⑦ ペレ('87)
- 名画短感⑥ 人情紙風船('37)
- 野良犬('49)
- マグダレンの祈り('02)
- 雁('53)
- エイトメン・アウト('88)
- マッド・シティ('97)
- 煙突の見える場所('53)
- エレファント('03)
- 妻よ薔薇のやうに('35)
- フィラデルフィア('93)
- 石中先生行状記(「千草ぐるまの巻」)('50)
- 深呼吸の必要('04)
- キリング・フィールド('84)
- ミッドナイト・エクスプレス('78)
- ミシシッピー・バーニング('88)
- フォーン・ブース('02)
- 秀子の車掌さん('41)
- 妻('53)
- 夫婦善哉('55)
- ウェールズの山('95)
- ウンベルトD('51)
- 名画短感⑤ プレイス・イン・ザ・ハート('84)
- コンフィデンス 信頼('79)
- 父と暮らせば('04)
- 大地の子守歌('76)
- こうのとり、たちずさんで('91)
- おかあさん('52)
- 狼たちの午後('75)
- あらくれ('57)
- 真実の瞬間(とき/'91)
- 鉄道員(ぽっぽや/'99)
- ミラーを拭く男('03)
- 日曜日のピュ('92)
- 証人の椅子('65)
- キクとイサム('59)
- コルチャック先生('90)
- キャラクター/孤独な人の肖像('96)
- イゴールの約束('96)
- 乱れる('64)
- ガラスの動物園('88)
- ストレンジャー・ザン・パラダイス('84)
- 風花('00)
- 人間の約束('86)
- ボクと空と麦畑('99)
- 荷車の歌('59)
- ジョニーは戦場へ行った('71)
- 秋立ちぬ('60)
- 近松物語('54)
- さよなら子供たち('88)
- ストレイト・ストーリー('99)
- 雨月物語('53)
- アドルフの画集('02)
- 25時('02)
- 幻の光('95)
- Focus('96)
- ケス('69)
- 幕末太陽傳('57)
- ユリシーズの瞳('96)
- 女の中にいる他人('66)
- エレファント・マン('80)
- ボスニア('96)
- 震える舌('80)
- 人生は、時々晴れ('02)
- 丹下作膳余話 百萬両の壷('35)
- 嘆きの天使('30)
- 羅生門('50)
- 真夜中のカーボーイ('69)
- 黒い雨('89)
- 乱れ雲('67)
- 地獄の黙示録('79)
- ベニスに死す('71)
- 霧の中の風景('88)
- 叛乱('54)
- 裸の島('60)
- 普通の人々('80)
- スケアクロウ('73)
- 海と毒薬('86)
- 家族の肖像('74)
- ファーゴ('96)
- 野いちご('57)
- 晩菊('54)
- ロゼッタ('99)
- 稲妻('53)
- 名画短感④ 天国の日々('78)
- 日の名残り('93)
- シン・レッド・ライン('98)
- 七人の侍('54)
- 田舎の日曜日('84)
- 禁じられた遊び('52)
- 自転車泥棒('48)
- 鬼畜('78)
- 父、帰る('03)
- 赤い殺意('64)
- 風の丘を越えて('93)
- 名画短感③ 恋恋風塵('89)
- 永遠と一日('99)
- 天国と地獄('63)
- 女が階段を上がる時('60)
- ライフ・イズ・ビューティフル('98)
- ソフィーの選択('82)
- 蝶の舌('99)
- 真昼の決闘('52)
- 息子のまなざし('02)
- 殺人の追憶('03)
- 男はつらいよ 寅次郎恋歌('71)
- 流れる('56)



0 件のコメント:
コメントを投稿